社長ブログ 

木材の3方向 :2015年3月 5日

巾接ぎ板の特徴を説明するまでに 前置きが長くなりますが  木材を 取り扱う者を手こずらせている( 別の見方をすれば味わい深くしている) 大きな原因の一つを説明させて頂きたいと思います

この説明のために素晴らしい桧丸太に登場してもらいました(樹齢百数十年か)

木材3方向

素晴らしい丸太にいたずら書きをして叱られそうですが

丸太の芯から放射状に伸びる赤→が木材の放射方向を示します

赤→に直角に交わる青→が木材の接線方向を示します

丸太の横に伸びる緑→が木材の繊維方向を示します

木材はこの3方向それぞれに 強度 乾燥吸湿による伸縮 などで違った特徴を示します

今回は乾燥吸湿による伸縮の違いをテーマにします

下に2枚の角材断面写真で説明します

杉角断面杉柾角断面

上左は 杉芯持ち柱角 右は杉芯去り角 の木口写真です 原木の場合と同じく 赤→が放射方向 青→が接線方向を示します

木材の取り扱いを難しくしているのは 接線方向(板目)(T)と放射方向(柾目)(R)そうしてもう一つ繊維方向(L)で 乾燥による収縮率が全く違っているからです

杉材では生材から気乾状態になるまでの 収縮率がT:R:L≒1:0.31:0.01と大きく違います

特に接線方向と放射方向の収縮率の違いにより 乾燥するにつれ色んな問題が生じます

左写真の角材には大きな鋸目が入っております これを背割り(緑の線で囲った部分)と言いますが 写真下の方を底辺にした三角形になっているのがお分かりかと思います 背割りは生材に入れた時には 真っ直ぐな細い線でしかありませんが 乾燥するにつれ三角形に広がってくるのです

なぜこの背割りを入れるのかと言いますと 背割りを入れておかないと 芯持材は乾燥するにつれ表面に大きく干割れが入ってしまうからです 特に化粧柱などは化粧面に干割れが来ないように あらかじめ木裏面に背割りを入れ 化粧面を保護します

それに比較して右写真の芯去り角はその必要が有りません

 
 

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